コリブロ

尖り過ぎて、ケガしそうな介護看護ITメディア

①介護とITの共通点:定着率の課題

 

こんにちは!鎌原です!

 

まだまだコリブロ(Colibriブログ)は始まったばかりですが、食べ物で汚した顔写真について暖かいコメントをいくつかいただきとても嬉しく思っています!

 

さて皆様、お花見には行けたでしょうか?

桜は散るときを愉しむものと言われたりするので、まだギリギリ間に合う場所もあるかもしれませんね!

 

そんな私は例年通り花見もほぼすることなく、近所のスーパーで買ったしなびた桜の花びらが乗った151円の桜もちを、あの写真と大して変わらない顔して食べながら麗らかな春を感じております。

 

さて、今回はもち繋がりということで、モチベーションについて書いてみました!

 

少し固く言い直しますと、

従業員のモチベーションが企業存続を左右するというお話しです。

 

これは大げさな話では無く、日本はもとより、世界中の多様な業界の大企業からベンチャー企業が本気で取り組んでいる議題です。

 

今回は一見、正反対に位置するような介護看護業界とIT業界の従業員の雇用という切り口から、記事にしています。

 

介護看護業界とIT業界は似ている

 

メディアでは、人材不足と定着率に関する議論は、介護看護業界の問題として注目されています。

 

ところが実はITエンジニアなど給与が青天井になるような業界ではより顕著に表れています。

 

お堅い数字を見てみましょう。

 

介護職員は2025年に34万人、2035年には79万人不足すると厚労省が発表していますが、IT人材は2020年に37万人、2030年には79万人不足すると経産省が発表しています。

『参照:IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果』

IT業界の方が人材不足問題は早く直面しています。なぜか5年ずつずれて理解しづらいのは、厚労省経産省のせいにしましょう。

 

IT人材不足を示すためにより下世話な具体例を挙げてみます。

 

多少のプログラミングスキルを持つ人材であると中途市場では最低800万円。業績があれば数1000万という応募も少なくない数存在します。

極端な例であれば大卒初任給で1000万円を提示して採用しようとする企業も出てきています。

海外なら、大卒で2~3000万もよく聞く話です。(能力に対してバブル状態なことも多々あります。)

 

とにかく、ある程度の素養があれば、将来の成長価値を見越して、高値を付けざるを得ないということです。

 

このような採用環境ですから、企業は元を取らなくてはいけないので、採用した人材にできる限り長く働いてもらう必要があるわけです。

 

しかし!

 

ITスキル自体は汎用性が高く、どの企業からも引く手数多であるため、IT系転職サイトに登録すれば、ひっきりなしにエージェントから連絡が来ます。採用した企業にとっては、早期離職は冷や汗物ですから、従業員が転職サイトで新規乗り換えの準備をしていないかチェックするためのスパイを送り込まなくてはいけなくなる有様です。

 

ここまではIT業界の現状でしたが、お気づきの通り介護看護業界の転職市場と酷似しています。

 

間違いなく介護看護業界でも転職市場からの採用費用だけでも50万円~150万円が必要で、

採用従業員が企業に対してどの程度の収益を上げるのかを考慮すれば、決して割安ではありません。

また、介護職員が転職サイトに登録すれば、すぐに事業所の候補が見つかりますし、転職お祝い金なども出たりします。(お祝い金でバイトしている同期の知人がいましたが、この業界にはいないと信じております!)

 

これだけ介護人材の売り手市場で採用単価も上がっているわけですから、IT業界と全く同じ理由で、従業員にどれだけ長く勤務してもらえるかは、大事な指標になるはずです。

 

離職原因は人間関係と理念のズレ

 

では、従業員に長く勤続してもらうための方法は何でしょうか。

それを考えるには、そもそもなぜ従業員は離職するのかを理解する必要があります。

 

これは、労働条件・環境に対してそれぞれの項目に対して何割の介護職員が不満を持っているかを示したデータです。

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人材不足と低賃金に不満があることがわかる

こちらは、介護離職の直接的な原因となったものの割合です。

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給与による離職は一部。多くは経営者・上司と従業員の対話で改善できる理由。

(参照:厚労省介資料『介護労働の現状』:介護労働安定センター『平成25年度介護労働実態調査』)

 

二つのデータを比較するととても面白いことがわかります。

上のデータから約半数の従業員が人員不足と給与に対して不満があることがわかります。

ところが実際の離職理由は、人間関係や企業の考え方との相違など、人員増加や給与アップでは解決できない問題だということです。

つまる所、従業員は「人が足らんわ!」「給料安いわ!」と不満を言いながらも働くが、人間関係や事業に対する考え方に軋轢が生じると、かなりの人が辞めるということです。

 

確かに賃金を上げる、休みを自由に取れるようにする、福利厚生を充実させる等々、即時的な対応は企業体力に余裕があれば、ある程度できるかもしれません。

しかしながら、その効果が十分に見られない場合もあります。

 

逆に、賃金水準がトップではなかったり、様々な関係企業・組織との調整が必要な所謂ハードケースな案件を沢山抱えているにも関わらず、離職率が低い事業所も多々見受けられます。

 

もしかすると、皆様の周りでも

「うちはこの辺りでは一番給与は出しているんだけどな、なかなか定着しないなぁ、」

「波乱万丈ケースばっかりだけど、従業員はモリモリ頑張ってるし、みんな元気にやってくれているよ!!」

みたいな両極端な会話を聞くことはないでしょうか?

 

実はIT業界でも全く同じことが起きています。

 

給与は高額出しているのに、エンジニアが次々に離職してしまう会社

 

給与はほぼ出せないのに、エンジニアは喜んで働き、むしろ面白がって新しい人材を連れてくるから、従業員が増えて逆にキツイ会社

が両方ともあります。



これらの違いはどこから生じるのでしょうか。

 

IT業界の離職理由は、企業と自身の目指すところが違う(理念の相違)や人間関係(調整業務や事務作業に追われ、スキルが身に付かないなど)によるものがほとんどです。

同じような離職理由を抱える業界から学べることは何でしょうか。

 

次の記事に続きます!

 

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