情報を集められる人は得をすると強く感じさせられた、車椅子座位についての勉強会で考えたことについて。
結論
- 知っているだけで、大きな効果が出る情報がある。
- でも、知らなければ、永遠に効果は得られない。
- 情報は積極的に取りに行く必要がある。
課題ケースの概略
サイズの合わない車椅子を利用すると、身体がずり落ち、仰向けや、左右どちらかへ重心が傾く。これが原因で、一部位に負荷が集中し、褥瘡へ繋がったり、食事が喉を通りにくくなるため、誤嚥性肺炎のリスクが高まるなど、利用者さんに問題が生じる可能性が高まる。また、介助側も、頻回にズレ落ちを引き戻す行為が発生し、また食事介助にも慎重にならざるを得ないなど、業務に影響を与える。
このズリ落ちを防ぐ方法として、利用者さんの太もも下、膝裏にタオルを、入れることで体位が安定するとのこと。
この方法で先の課題が劇的に改善するとともに、利用者さんの目線が安定することで平衡感覚が付き、認知機能が回復し、発話が増え、口喉周りの筋肉が付き、食事もスムーズになる。なにより、これらが複合的に影響し、利用者さんが明るく元気になるとのこと。
今回は作業療法士さんによる説明でした。
タオルによる座位の安定は、専門家であれば周知の対応かもしれません。
しかし、勉強会に参加されていた介護士の方々には、ご存知ない方も多く、当然私も知りませんでした。
とても面白いのは、
座位を安定させる器具は沢山販売されており、
認知機能回復効果を謳う、様々な取り組みや、体操、アプリやゲームなど沢山溢れていて、私でも知っています。
ただタオル一枚で簡単に、誰でもすぐにできる効果的な対策があることは知らなかったということです。
これは、ひとえに情報を取得する努力をしておらず、受け身の情報だけで、物事を判断していたからです。
このような事例は介助に限らず日々の生活に溢れていると思います。
例えば、誰でも当たり前にするコピペ機能。
簡単で劇的効果がありますが、知らない人は永遠に知りません。
信じられない話ですが、PCやスマホになれない方では、未だにある話で、私もコピペを教えたことが数回あります。
まとめ
自分の常識は、情報を持っている人達から見ると、とてもナンセンスな場合があるということ。
ただし、自分の常識を疑うのは、とても難しいです。
車椅子はずり落ちるもの、引き上げる介助が必要であること、これが当たり前だと考えている方にとって、それが改善できると思えることは、とても難しいです。
従って、問題と考えていなくとも、自分はより良い方法を知らないのではないかと自問自答し、常に情報をアップデートしていく姿勢が大事だと思います。
これを読んでいる皆様、車いすラグビーを調べてみたら、車いすの新しい利用方法がわかるかもしれませんよ。