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尖り過ぎて、ケガしそうな介護看護ITメディア

介護事業所の意思決定

こんにちは、鎌原です。

 

最近事業所の方々と話しながら、難しい問題が出てきたら、数値として問題を分解して、本当にできないのかを検討してみると意外とイケると思えるようになることがあるなと感じています。

 

例えば介護ITが導入できないと考える理由は、大きく2つです。

1つは投資するお金が無いなど数値的な理由です。2つ目は導入できる気がしないという感情的な理由です。実際には2つ目の理由がほとんどです。

 

例えばよくある導入できない理由の一つが「うちはみんなヘルパーがIT苦手でで、とてもじゃないけどスマホアプリなんて使えないと思う」といった感情的な理由です。

 

ここで、よくよく状況を掘り下げるわけです。まずは本当に「みんな」ですか?例えば、ヘルパーは合計何人で、本当にスマホを利用したことがないのは何人なのか。スマホアプリを入れたくない理由は、本当に難しいからなのか。などです。できるだけ問題を細かく数値で把握します。

 

すると、実はヘルパーは30人いて、そのうち全くスマホに触れたことがない人は3人しかいなく、他の方はスマホに慣れている、もしくは慣れていなくても必要最低限なら利用できていた。

 

しかも、実際にアプリをヘルパーに見せたところ早く導入してほしいという人が15人いた。10人はどちらでも。2人は否定的。3人はスマホがわからない。となったとすると、それぞれの属性のヘルパーごとにどのように教えるかなど対策も具体的に練ることができます。

 

漠然と30人に導入と考えると大変そうですが、15人は楽しみに待っている、10人には納得してもらえるよう説明し、5人には手厚くサポートしようと考えるのでは、全く負担感が違います。

例えばの解決方法ですが、3人であればスマホ貸与してもコストは大きくないかもしれません。否定的な2人の理由も、ゲームやyoutubeを利用していてデータ容量制限にひっかかるからだった。これは通信費手当を出せばよいかもしれないなど、具体的に考えられます。

 

このように一見感情的な理由で不可能に見える問題も、数値の問題に分解すれば解決できるように見えてくるものです。

 

ただし重要なのは、感情的な問題も必ず残るという点です。例えばIT化する本当の目的は効率化による、従業員負担の軽減とケアの質向上だとします。誰が聞いても、当たり前のように聞こえますが、実際にこれをヘルパーさんに伝えたところで、「はい、わかりました、IT入れましょう」とはならないわけです。サ責さんや管理者さん、経営者さんが真剣に熱意を持って、ITを入れる理由を説明できて、ヘルパーさんも「そこまで言うなら、やってあげるよ」と腹落ちするわけです。

 

今回はわかりやすい例としてITに導入時を挙げましたが、どのような問題や悩み事でも応用できる考え方かと思います。

 

数値で物事を冷静に分析し、感情で「エイっ」と行動しましょうという話でした。