コリブロ

尖り過ぎて、ケガしそうな介護看護ITメディア

介護業界が学ぶべき90歳エクセル達人の考え方

今回は勉強になる記事の紹介です。

大阪のサンコーインダストリーという企業に勤務されている玉置泰子さんについての記事から学ぶことがありましたので、皆さまへ共有致します。

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「世界最高齢総務部員」としてギネス記録に認定されています。そのご年齢はなんと90歳です。Colibriのユーザーさんにも70代の方がいらっしゃいますが、玉置さんから見れば、新卒社員に見えるのかもしれません。Colibriのユーザーさんからもギネス記録取得者が出るように、使いやすいアプリを開発しないといけないですね。

 

介護事業所の役に立つ考え方がありますので、まずはぜひこの記事を読んでいただければと思います。

 

さて多く学ぶことのある記事ですが、ただの紹介ではコリブロの意味が無いので、私がITという切り口で共感する点をあえて2点だけ上げてみます。

 

・ITは所詮道具であり、結局は使いようだということ

・適切な目標設定と評価が成果につながるということ

 

1点目について。おそらくエクセルを想定した文中の言い回しの中に「ゴミを入れたらゴミしか出てこない」とあります。これは非常に納得感のある言葉です。今、日本中でDX(Digital Transformationの略)と言われていますが、なにも画期的な技術革新が起きているわけではありません。つまるところ、昔からあるITという道具を使いこなせるように、どうやって人間が変化しましょうかという話です。決して、ITが人間に置き換わるという夢のようなお話ではありません。

 

非常に高価な包丁と鍋を使い、豪華なキッチンで調理しても、食材が腐っていたら料理は美味しくはなりません。そしてその食材の良し悪しを見分けるのは結局人間です。たしかに、食材の良し悪しを判断できるAIもあるかもしれませんが、そのAIに何が良いか悪いかを学習させるのは人間なのです。ではその見極める能力を高めるにはどうするかと言うと、見極める経験を増やすしかありません。

 

「玉置は好奇心が強く、変化が好きだ」との記述や、ご本人のインタビュー内容から、とにかく変化し挑戦する気概を強く感じます。変化と挑戦を継続することで、食材の見極め方がわかり、道具の使い方がわかるものであると私も考えています。

 

2点目について。本記事の企業では、企業目標を決め、最終的には数名で構成されたチームの目標まで落とし込みます。加えて、「達成できそうな目標」であることも大事にされています。そしてチームとしての評価軸があり、個人技だけでは戦えない設計のようです。

 

この話は企業業績目標を意図されていますが、IT導入という観点からも納得感があります。

 

IT導入をする際に、明確な目標が無いと大抵の場合には失敗します。また目標があっても、ITプロジェクトの負担が一部の人間に偏ると危険です。ですから、目標を明確にした上で、関わるメンバー全員が納得し、工程を明確にしながら進めなくてはいけません。その過程で、達成感が少しづつ蓄積していき、ITに対する自信が付くことで、自分の道具として使えるようになります。

 

以下、最後に玉置さんの言葉を引用します。

いい文章を書くには、写生するのと一緒で物事をじっくりと眺めて、その裏側にあることまで感じとることが大切ですね。コンピュータだって、よく知らない人ほど『なんとなく怖い』ってなるんです。私は導入前に6年も丁寧に教えてもらったから、ちっとも怖いと思わなかった。よくわかってない人には、『コンピュータってゴミを入れたらゴミしか出てこない。有効なものを入力するのが大事よ』って教えてあげるんです」

 

続きの記事は企業側から視点です。女性に長く働いてほしいという考えや、高齢者雇用に対する考え方など、介護業界の私達が学べる内容がありますので、リンクを貼ります。

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