こんにちは、鎌原です。
本日は台湾のオードリー・タンさんの本についてです。
『オードリー・タン. デジタルとAIの未来を語る 株式会社プレジデント社. 』
国内でも、台湾のコロナ対策案を参考にする流れの中で注目されましたのでご存知の方も多いかと思います。
幼少期よりプログラミングを学習し、10代でシリコンバレーで働かれていたそうです。そして2016年に35歳の若さで台湾デジタル庁のトップに就任しました。
詳細はぜひ読んで頂ければと思いますが、多様性を受け入れ、柔軟な考え方で行動されているようです。
この本の中には、高齢者などデジタルを苦手とする方とITの関係について記述している章があります。
「デジタルが高齢者に使いにくいのなら、使いやすいように改良すればいい」と仰っていますが、基本的にはITと人間は対立軸になるべきではなく、ドラえもんとのび太くんの関係にあると記述しています。
もし、ITを利用できる人間とそうでない人間に分かれる場合には、社会的にも大きな格差が生じ兼ねないとのことです。
みんなに平等に厳しく優しいドラえもんだから人気者なわけです。もし、ドラえもんが「君はITスキルが低いから、話にならないよ。僕のことを理解してくれる優秀な人としか話したくないんだ。」と言ったとしたら、恐ろしくて誰も見たくないでしょう。
この考え方には、私も賛成していまして、ITが苦手な方を基準にした開発ができないようでは、本物のITであるとは言えないと考えています。
文中にこのようなストーリーがあります。
コンビニや薬局で電子決済がスタートする場合を例に、高齢者などITが苦手な方が不便になる可能性があります。ただ、実際の社会では、もしわからなければ使い方を教えてくれる店員や家族がいるはずです。そして、一度学べたことは家族や友人に自ら教えたくなるという話です。つまりIT化には人間が必ず介在しているわけです。
このような記述があります。
何かを学ぶことができた人は、誰かに教えることもできるのです。「少数の人だけが便利に使っていて、大多数の人は学ぶことができない」という手法では意味がありません。デジタル技術は「誰もが使うことができる」ということが重要なのです。それが社会のイノベーションにつながります。
Colibriを導入していて、何度もこのような場面に立ち会っています。少し使えるようになった方が、他の方に楽しそうに教え、教えられる側も「私には無理だな」と仰っしゃりながらも、意外と楽しそうにされていることがあります。
オードリー・タンさんの考えられているような、人間味のあるデジタル化を考えられる企業や社会が、介護業界の本丸になるのかと考えています。
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