コリブロ

尖り過ぎて、ケガしそうな介護看護ITメディア

2019年10月新加算について

特定処遇改善加算

新加算として特定処遇改善加算が10月の消費税増税に伴い施行されるようです。

詳細は添付資料(文末)を確認していただきたく思いますが、如何せん情報量が多いので、一部気になった情報を共有いたします。

 

 

今回の新加算は現行の処遇改善加算のⅠ~Ⅲを取得されている事業所は、従業員の給与アップにつながる施策であるため、積極的に導入検討される事業所が多いことが予想されます。

 

f:id:colibrijp:20190404235949p:plain

新加算の上乗せイメージ

f:id:colibrijp:20190404235955p:plain

新加算の加算率

新加算の取得3条件

  1. 現⾏の介護職員処遇改善加算(Ⅰ)から(Ⅲ)までを取得していること
  2. 介護職員処遇改善加算の職場環境等要件に関し、複数の取組を⾏っていること
  3. 介護職員処遇改善加算に基づく取組について、ホームページへの掲載等を通じた⾒える化を⾏っていること

 

1と3は文字通りですが、気になったのが2点目の職場環境等要件です。(下画像参照)

資質の向上についての項目は、従業員スキルやサービスの質を真剣に考えている事業所では、自ずと達成に近付くかと思われます。

 

その他項目は、突っ込みどころ満載と言いますか、、主婦や高齢者を含む中途採用特化人事制度は既にやっていないはずはないですし、非正規から正規への転換を従業員は必ずしも望んでいない場合もあり、なにより職員増員による業務負担軽減はもし出来ていたら、今回の給与改善のための加算を議論する時間が無に帰してします。。

 

逆に、一考の価値ある観点だと感じたのが、労働環境・処遇の改善についての項目内にICT活用による部分にある「訪問先でのデータアクセスと共有」と「サ責のシフト業務負担軽減」です。この文言自体よりも、これが労働環境・処遇改善の項目にあることに価値があるように思います。

 

この業界に限らずですが、ITを上手く使える組織のメンバーは、本当に頭を使わなければいけないことに頭を使える時間が増えます。そういう仕事の時間が増えるとある種のわくわく感を覚えます。このわくわく感は利用者様が真に欲しているサービスや、チームメンバーが必要としている助けは何かを考える時かもしれません。この時間は組織への満足感になり、当然そういう組織への定着率は上ります。

この要件を作成された方々が、そこまでITの価値を理解して策定したかどうかはわかりませんが、少なくともこの部分に関してはカッコつきでかなり具体的に指定しているので、力を入れたいことは予想されます。

f:id:colibrijp:20190405000206p:plain

職場環境等要件


介護報酬改定

加えて消費税増税に伴う介護報酬のアップについても一部触れます。

 

訪問介護

基本的に身体生活共にサービス1つに付き、1単位アップ

但し所要時間が1時間を超える身体介護のみ2単位アップ

従って、

1時間以上の身体介護数×2+その他月次のサービス数=増加単位数となります。

この増分が消費税増税分に対してどの程度インパクトがあるのかという議論は色々あるかと思われますが、少なくともどのサービスが何単位増えたのか、何度も何度も、確認する手間は無さそうなくらいにシンプルなアップです!

訪問看護

20分未満1単位アップ

30分未満2単位アップ

30分以上1時間未満3単位アップ
1時間以上1時間30分未満4単位アップ
PT、OT、ST訪問1単位アップ

訪問介護と比較すると、増え幅は大きいですね。

訪問系業務以外にも改定はありましたが、総じて長時間に及ぶサービスの単位が増加しているようです。

 

最後に

今回は10月からの新加算について、訪問介護看護の気になった部分をさらっと触りました。一度情報をご覧になった方であればご存知の通り、「経験・技能のある介護職員」ってなんじゃ、「勤続10年の考え方については、事業所の裁量で設定できることとする。」って、裁量とは何ぞやみたいな突っ込みどころ満載で、飲み会のネタになること間違いなしの改正です。

使えるものはしっかり使うしたたかな目で、資料に目を通してみて下さい。

 

 

 (介護給付費分科会H31.2.13資料https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/000478377.pdf

 

 (介護給付費分科会H31.3.6資料https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/000485525.pdf